閉店することになりました
HPの新着情報にはすでに記載してアップしましたが、この度閉店させていただくことといたしました。
再開を待たれていた方にはこういう結果となり申し訳ないと思っております。
事故後3ヶ月時点でこのブログを一度アップしており、それ以来もうすでに1年経ってしまったわけですが、この期間のことを少し書き残しておこうと思います。
腕のリハビリ自体は昨年の5月ごろ (手術後6ヶ月) に終わっています。また自動車保険により担保される治療や診断も事故後1年、つまり昨年11月初頭に終了しました。それ以降は自費での治療やリハビリは続行可能なんですが、実際のところリハビリで改善できるところはほぼ終わっており、続けてもそれ以上良くはならないということで打ち切りとしました。
受けた手術はORIFと呼ばれるもので、チーズちくわのように骨の中にパイプを入れて固定するというものです。凸の場合は右上腕がポキッと折れていたので、肩を切ってそこからパイプを差し込み、ひじの部分と肩の部分をボルトで留めるというもの。寝ている間に全て終わったのでどういう作業なのかはわからないですが、レントゲンではパイプとネジがはっきり写し出されて留められているのがわかりました。自分の体がそうなって見えるのは興味深いものですね。ああこうやってつながったのか、と。
この手術のいいのはギプスをつける期間が短くて済むので、すぐにリハビリに入れること。もちろんパイプでつながっているとて、骨が着かないまま負担をかけるとネジが折れたりしてパーになってしまう。なのでそこは診断を訊きながら少しずつすすめていきました。
前回のブログが手術3ヵ月後ですが、この時点ですでに車 (軽トラ) で通院できるようになっています。もう腕は110度くらいまでは上がるくらい戻っていたと思いますが、まだ右手でハンドルを回すことは全然できなかったと記憶しています。腕を上下方向に動かすのはそれほど痛みも違和感もなかったんですが、左右方向に動かすと痛みや違和感が出てきて「あ、まずい」と感じる。不感帯があって意のままにならないんですね。ちょっと無理をすると次の日に骨折時以上に患部が痛むし。
そうこうしながら半年が経ち、昨年の夏ごろには右腕のブラブラと頼りない感覚も大分治まってきたのでバイクにも乗れるようになりました。事故をした通勤牛V100は凸が犠牲になったお陰をもってほぼダメージがなく (倒れたのが路側の草むらだった)、真っすぐ走れる状態だったのは不幸中の幸い。(※ ただ秋頃にはこのV100も調子を崩し、凸の整備が覚束ないために泣く泣く廃車にしてしまったんですけど。)
閉店することになった原因ですが、上記のような右腕の違和感というか言うことの利かなさがもっとも大きな要因です。たまたま在店中においでになった方や電話でお話できた方には雑談としてお伝えしたんですが、肘の回転方向のガタツキというか「遊び」というのか、不感帯は機械整備の作業にはひどくダメージがあることを思い知らされました。全然何もできないわけじゃないんですけど、とにかく頻繁に引っかかって整備が途中で止まってしまうんですね。そして諦める部分も多い。
具体的にはドライバーでネジを回す、という作業。バイクのみならず機械整備では基本のキ。教えたら子供でもできる当たり前な行為なんですが、これがもう既にタイヘン。まずドライバーの柄を持って+ネジの頭にドライバーの頭を持っていくがグラグラ安定しないので一発でピタッと嵌らない。特に長いタイプのドライバーは左手を添えてネジ頭に持っていかないと全然ダメです。
ネジ頭に+を嵌めて回す段になると、固く締まっていないネジならそれほど苦もなく緩むものの、キャブレター周りのネジは固いものが多く一苦労。ねじ回しは押す力が7、回す力が3だと言われるんですが、押す力が足りないので全然回せない。それを回してしまうと舐めて (ネジ頭を潰して) しまう。とてつもなく固いネジならいざ知らず、事故前なら普通に緩めていた程度のネジを舐めてしまうという体たらく。
ならばここはショックドライバー (ハンマーで叩くと衝撃を回転力に変えてネジを回してくれる工具) の出番だ、と。ゲーム開始一分後にもうラスボスが出てくるような展開だけど仕方がない。ところが石頭 (ハンマー) を持つと右手がフニャフニャしてまともに叩けない。振り下ろす力も足りないし、ちゃんと石頭の重心がショックドライバーのお尻に当たらない orz
そうのこうので作業していても思っているように仕事が進まない。いちいち時間がかかるし、作業が止まるたびに代替できる別の作業手順を考えたりして、その度にストレスもいや増しに増すわけです。自分のバイクならいいけれど、お客様のバイクをこういう状況でやるのはどうなのか。お代を頂戴してやることだから下手を打つわけにはいきませんし、時間のお尻もあるわけでして。
やったわけではないけれどタイヤの交換も心配な作業です。店の片づけでホイールからタイヤを外す作業はしましたが、まずタイヤレバーをホイールとタイヤのリムのすき間に突っ込むのも、微妙に力が足りずに一発では決まらずグリグリやってしまう。処分するホイールなのでいいものの、お客様のタイヤ交換ならホイールにキズをつけることになってしまいます。また円いタイヤを外すためにタイヤレバーを前後左右に動かして作業をするところを、右腕が左右に上手く動かせないことですごく能率が下がるのです。常にレバーを引いてタイヤを外す (または嵌める) 方向にタイヤをくるくる回転させたらいい、というのは理屈なんですけど、実践するとさっぱり上手く回らない。健常時の倍以上時間がかかりました。
正直3ヶ月では復帰は難しい、ならば半年で、やっぱり無理なら1年で、、、と店を置いたまま1年以上が過ぎたわけですが、1年3ヶ月が過ぎた現時点でこの状態では、とてもじゃないが再開は不可能であると判断しました。副業込みで維持できる方法を模索したりしたものの、このブログがほぼ整備のことばかりであることからわかるように整備ナシの再開はありえない。さりとて薄利の営業スタイルゆえ整備士を雇える可能性は皆無です。店舗を維持できる方策が見出せなかったということです。
ご縁のあったお客様にご挨拶の機会なく閉店というのは心苦しいのですが、現在は山のような残務を少しずつ捌きながら店舗を畳んでいっているところです。なお店舗は4月末までには解約され、すべて撤去されることとなっております。
なお「閉店」としているのは、あくまで現住所のおおきにモーターの店舗を閉めるものであって「廃業」ではない、という意識を持っているためです。まあ現状では廃業も同然なんですが、整備を伴わない格好での営業なら続けられるわけでして (古物営業の許可はいただいているわけで)、何らかの格好で再開する方策は探っていくつもりでおります。もちろんフェードアウトする可能性も大いにありますが。
HP、弊ブログともしばらくは公開を続ける予定です。ですのでメールアドレスはしばらく使用できる予定です。また店主凸が店内に居る時間帯は電話にも応対可能です。(※ ただし修理は上記のような理由によりできる作業が限られるため、お断りする可能性が低くないことをご承知置きください。)
この記事が弊ブログ最後の記事になるのか、また書き込むことがあるのかは現時点では自分にもわかりません。お知らせすべきことがあれば店舗HPにアップするでしょうが、ここはブログなのでそういう発信の場ではなかろうと思っています。
ケセラセラ、ですねぇ。
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